異世界ファンタジー

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宝島

 人々の望むものがそこにはあるという。どんな宝でも願いでも、欲しいものは必ずある。  数多の人々がそこを目指して旅立ち、誰一人、帰らなかった。  それでも、なんとしても手に入れたいものがあれば、目指してしまうのだ。  うねる波を乗り越え、...
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封印ロンリネス

「ぼくを一人にしないで」  その願い虚しく、十年前、唯一の幼なじみは眠りについた。  小さな宮殿の奥には石造りの寝台と、その向こうに祭壇がある。手前の寝台で横たわる人物はさながら捧げられた生贄だ。  祭壇の中には〈災いの元〉がいるという...
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航海士たち

 陸地は水平線のかなたに消え、船は海流を横切っている真っ最中。空は快晴、なのに気分は最悪だ。 「また船酔い?」  甲板でぐったりしていると、雲はないのに影がさす。呆れ顔に見下ろされていた。 「エク……助けてくれ……」 「そうやってすぐ人に...
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ともしびの道

「君の力を、僕に貸してくれないかい?」  満月を背にしても、その顔ははっきりと見えた。自分自身が、月よりほんの少し明るく光っていたから。  でも、優しげなその表情は、太陽よりもずっとずっと明るく見えたんだ。 「今日も見つからなかったねえ...
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運命屋

 近い将来さえ見通せない、先行き不安なこのご時世、確かなものを求めるのは無理からぬこと。  不確かな人生に、確かなものを。定かではない未来に、定められた運命を。  これは、『運命』を手にできるお薬です。  様々な『運命』を取り揃えており...
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