小説 糸島くんと山田くんとにぎやかな仲間たち 壁は淡い緑色で、床は濃い緑。天井は壁と同じ色で、無機質な白いライトが等間隔に緑の廊下を照らしている。廊下の行き止まりは扉になっていて、「関係者以外使用禁止」と赤い文字で書かれている。緑の背景に赤い文字は、目に痛い。この扉を見るたびにいつもそ... 2019.06.08 小説天体観測
小説 執筆戦隊カケルンジャー ここに悩めるオンラインノベル愛読者が一人いる。私だ。 ノートパソコンにかじりつき、ブックマークのフォルダ『ラヴなサイト』に分類・最上位に登録し、尚かつ私の運営するラヴなファンタジー小説サイト『Wonder West Wind』のリンクペー... 2009.12.26 小説短編
小説 十六年目の「ただいま」 窓から差し込む光は柔らかく、狭い室内にほのかな暖かさを届けている。 昼間とはいえ、今は冬のただ中。暖炉に薪をくべて暖を取っても良いが、若いながらも一人で細々と生活しているラズは、節約できそうなところはなるべく節約している。だから、今日のよ... 2008.04.05 小説短編
短編 君と会う空の下 「今日未明から降り出した雨は、夜半まで降り続く見込みで――」 画面の向こうにいるお天気キャスターは、いつもながらの美しく楚々としたたたずまいで、憂鬱な今日の天気の行方を説明している。キャスターの爽やかな声は、暗いうちから音をたてて泣き出し... 2007.10.07 短編小説
小説 冒険好きに贈る三十五の罠 世の中、時には奇妙とも思えるモノが流行ることがある。 まあ、たいては無害であるから、放っておいても問題なんかない。流行るだけ流行り、飽きられたら忘れられていく。そんなモノだ。 しかし、これを放っておいては、世間の迷惑というモノだろう。 2006.09.25 小説短編