かげろうが消えた夏 後編

「黒木!」
 頭の中ではなく、間近で声が響いた。
 右側には、目を真っ赤にして心配そうな顔をしている愛菜(あいな)がいて、左側にはやはり心配そうな顔の立花君がいた。
「恵里香(えりか)、大丈夫!? ごめんね、ごめんね!」
 古びたリクライニングシートに座っていたわたしの手に、愛菜がすがりついて泣いている。
「えーっと……?」
 わたしはまだ状況がよく飲み込めず、立花君を見上げる。さっきまでわたしの左側でひざまずき、おそらく耳元で呼びかけていたであろう立花君が、ゆっくりと立ち上がる。
「黒木は、仮想夢(かそうゆめ)の中に深く入り込みすぎてたんだよ」
 そうだった。立花君のメッセージを受け取って意気揚々と大学へ向かったわたしは、しかし自分のゼミではなく、友人である愛菜のゼミに向かったのだ。立花君から、電車に乗り遅れたから遅刻する、という連絡があったから。
 その後、愛菜から、仮想夢導入装置をいろいろと新しくしたから見に来ないか、と連絡があって、わたしは愛菜のゼミに顔を出したのである。
 六畳ほどの部屋の真ん中に、わたしが座る古ぼけたリクライニングシートはあった。手作り感満載のヘッドギアを装着していて、そこから延びている何本ものコードが、リクライニングシートの周辺に並べられた大小様々な機械に続いている。
 仮想夢は、愛菜が所属する研究室の教授が、企業と共同開発した技術だ。人間の意識と、コンピューターの中にある仮想空間を直接繋げるすごい技術、らしい。
 コードや配線がむき出しのヘッドギアをかぶると、仮想空間の情報が電波として脳に送られ、その仮想空間を現実と錯覚するそうだ。夢を見ている状態に近いらしい。脳の記憶領域も利用しているので、仮想空間に本物のようなリアリティを持たせられるという。
 しかし、情報処理量が多くなると脳に負担がかかる。そこで、本来は脳で行われる情報処理の一部をコンピューターが引き受け、脳はその結果を受け取るだけという負担軽減策を講じている。つまりは、脳とコンピューターが直接やりとりをしているんだとかなんとか。愛菜から何度か説明を聞いたけど、詳しい仕組みは未だによく分からない。
 なんだかすごい技術らしいのは、自分でも体験してみてよく分かっている。過去の世界を再現すれば、仮想の観光ができそうだ。
 レジャーやゲームなどの娯楽目的で開発を進めている企業もあるが、愛菜たちは医療分野での活用を目指しているらしい。遊ぶためじゃないんだから、と胸を張って言っていたことがある。
 仮想夢の技術はまだまだ開発途上である。一人でも多くデータを取るためと愛菜に頼まれ、学食でおごってもらうのと引き替えに、被験者役を引き受けていた。
 一方わたしは、二十一世紀初頭の社会や文化、人々の生活について研究している。個人史(ライフヒストリー)から人々がどんな生活をしていて何を考えていたのかを知り、当時の社会について理解しようとしている真っ最中だ。
 二百四十年ほど前、様々な巨大自然災害により、地上の環境は激変し、人類は地下都市を建設して移住した。地下に持ち込めなかったものは少なくなくて、災害時以前の様々な記録もその一つだ。
 地下都市に残された数少ない記録や資料は、保存状態が悪いものもあり、ようやく見つけたそれを解読するのに、何ヶ月もかかるのも珍しくはない。
 けれど半年ほど前、わたしは保存状態のいい、奇跡的資料と巡り会った。それが、この地下都市〈高(たか)春(はる)〉の地上部分である地域で生まれ育った少女『黒木恵理』の日記である。
 スマートフォンと呼ばれる携帯型端末が普及していた当時、紙製のノートに日記を付ける者は少数派だった。それが二百四十年たった今も現存していたなんて、と日記帳と書かれた数冊のノートを見た時は興奮した。しかも、日記の持ち主はわたしと名字が同じだし、下の名前も似ていた。なんだか親近感が湧くな、とも思ったものだ。
 日記の他に、『黒木恵理』本人や『米良智則』たち幼なじみの写真も、比較的良好な状態で保存されていた。
 そこで、その写真を元に、『黒木恵理』たちが生きていた当時を、仮想夢で再現できないか愛菜に持ちかけたのだ。『黒木恵理』たちが生きていた世界を、疑似的でもいいから体験してみたかった。
 愛菜は快く引き受けてくれた。より精巧な世界を再現するため、一緒になって色々な資料を探したりもした。
「本当にごめんね、恵里香。まさかこんなことになるなんて思わなくて」
 愛菜はようやく泣きじゃくるのをやめたが、まだ目は赤く、潤んでいる。
「他の地域のデータと組み合わせたりして、仮想夢の構築に使うデータ量を増やしたの。それから、よりスムーズに仮想夢と意識を繋ぐために、装着者の記憶領域とも接続して……あ、これは以前からやってるんだけど、今度の改良型から装着者の記憶も仮想夢構築のデータとして利用していて、より現実感を出そうとしてるの。でも、そのせいで、恵里香は仮想夢に深く入り込みすぎたんだと思う」
「……確かに、わたし、本当の夢を見ているんだと思った。夢の中で、わたしは黒木恵里香じゃなくて、『黒木恵理』になってた……」
「恵里香は『黒木恵理』の日記を何度も何度も読んでいてそれを記憶しているから、その記憶が仮想夢の構築に使われて、自分は『黒木恵理』だって思い込んでしまったんだと思う」
 愛菜はうなだれていた。
 設定しない限り、仮想夢世界に装着者以外の人間は登場しない。けれど、『黒木恵理』の日記や他の資料を読んでかき立てられた想像力で、普通の夢を見る時のように、他人も出てきたのだろうか。
 仮想夢に意識が繋がっていても、外部操作によって、すぐに仮想夢からシャットアウトできる。今まではそれで、現実に意識が戻ってきた。
 けれど今日は、愛菜が装置を停止しても意識が戻らず、眠ったままだったそうだ。仮想夢体験というよりは、やはり、普通の夢を見ている状態にかなり近かったのかもしれない。
 わたしがいっこうに目を覚まさないので、わたしを探しに来た立花君と一緒に呼びかけていたらしい。
 ただ、愛菜はわたしの意識が戻らない時点で半泣きになっていて、ろくに声が出ていなかった、というのは立花君の言葉だ。
 なるほど、立花君の声しか聞こえなかったわけだ。
「加藤(かとう)。その装置の出力なり設定なり、もっと改良しろよ。意識が戻らないとか、大問題だろ」
「わたしや研究室のみんなが試した時は、そんなことなかったの。恵里香は『黒木恵理』に対する思い入れが深かったからだと思う。そういう場合にどうするか、今後の課題だね」
 愛菜は鼻をすすりながらも、そう言った。
「俺、もう戻る……」
 立花君は呆れ顔になり、ドアに向かった。
「黒木も、落ち着いたら戻ってこいよ」
「あ、そうだ。ねえ、何があったの。立花君、何か新しい資料を見つけたんでしょ」
『黒木恵理』に関する資料に違いない。彼女の日記は、二〇一八年八月三十一日で終わっているのだ。小学校三年生の時からことこまかに日々をつづっていた『黒木恵理』が、いきなり日記を付けなくなった理由は、未だに分かっていなかった。
「だから、落ち着いたらでいいよ」
 立花君を追いかけようとしたけど、リクライニングシートに座ったまま、ヘッドギアも着けっぱなしだったので、待って危ない、と愛菜に止められた。
「落ち着いたらでいいって言ってたし、立花君は逃げやしないよ」
「そだね。ごめん」
 すっかり涙が引っ込んだ愛菜は、わたしに取り付けたヘッドギアやセンサーを手際よく外していく。
「今日は本当にごめんね、恵里香」
「気にしなくていいよ。わたしも、『黒木恵理』への思い入れが深すぎたみたいだし」
「それでね、立花君の用事が終わってからで全然いいんだけど――」
 髪を撫でつけるわたしを、愛菜が上目遣いに見る。
「仮想夢の中でどんなことがあったか、どんな感じだったか、あとで詳しく教えてくれる?」
 今後の研究のためにお願い、と愛菜は顔の前で両手を合わせ、深々と頭を下げたのだった。

   ●

 愛菜の研究室と違って、わたしたちの研究室はすっきりとしている。
 それでも、出入り口以外の壁は本棚に覆われ、棚は大小も厚さも様々な本やノートで満員御礼状態だ。教授や歴代のゼミ生たちが収集した資料や研究成果である。
 部屋の中央には共用の大きな机があって、そこで調べ物や勉強をしたり、時にご飯を食べたりする。ここは主にゼミ生が使う部屋で、教授や院生はドアで繋がっている隣室に、それぞれ専用のデスクを持っている。
 とはいえ、ゼミ生はわたしと立花君の二人だけなので、専用みたいなものだ。立花君は入り口側、わたしは奥に陣取ることが多い。
 立花君は共用の机に、数冊のノートやファイルを広げていた。
「これ」
 と、立花君が示したのは、その中の一冊だった。
 元の色は分からないほど変色し、端っこはすり切れ、濡れたことがあるのかたわんでいる。かなり古い大学ノートだ。
 その表紙に、かすれて読みづらいけれど、手書きのタイトルがあった。右上がりの癖字には見覚えがある。
「『米良智則』の日記だよ」
 立花君が表紙のタイトルを指さす。
「新しいのが見つかったの?」
 思わず声が高くなる。
『米良智則』は『黒木恵理』ほどマメではないが、彼女とほぼ同時期から日記を付けていた。その日記にも、もちろん目を通している。ただ、彼は高校入学後、日記を付ける頻度が減り、高校二年生の冬以降は書いていなかった。
「ここに日付が書いてある。小さいし、だいぶかすれてるけど、『2018/9/15~』と読めるだろう?」
「『米良智則』の最後の日記から半年以上空けて、しかも違うノートに新しく日記を付け始めたの?」
 これは何か理由があるに違いない。立花君が今朝、意味深なメッセージを送ってきたのだから、それは『黒木恵理』と関わっているのだろう。
 立花君に断ってから、表紙をめくった。見覚えのある癖字が並んでいる。一行目の日付は表紙と同じだ。『米良智則』の日記は、その日あった楽しかったことや嫌なこと、食べたものについて書かれていることが多く、それぞれについて簡素に記されているので、一日分の日記は数行、短いと一行で終わっている日もある。
 けれど、ノートを新たにして付けられたこの日記はそれまでと違い、二ページに渡っていた。
 読み始めてすぐに、なぜ新しいノートにしたのか、なぜ再び日記を付け始めたのか、そして――『黒木恵理』に何があったのか、書かれていた。
 二〇一八年の夏は、平成最後の夏。その終わりに何が起きたのか、とうとう判明したのだ。

   ●

 舗装されたばかりのアスファルトは、強い日差しを受けて、所々光っているように見える。顔を上げると、遠くにはかげろうがあった。
「よくできてるなあ」
 先日は一人で仮想夢の世界に降り立ったけれど、今日は立花君も一緒だ。愛菜がまた改良したから試してみないか、と持ちかけてきたので、わたしは性懲りもなく、愛菜の研究室に遊びに行ったのである。立花君と一緒に。
 立花君は、仮想夢体験は初めてだそうだ。珍しそうにあちこち見回したり、周囲のものを触ったりしている。
「……本物と思い込んでもおかしくないよ」
 道端に生えていた雑草の手触りを確かめながら、立花君はしみじみと言った。
 愛菜のところへ行くと告げたら、立花君は呆れたような怒ったような表情になり、同じことがまた起きたら困るなどと言って、付いてきたのだ。
 彼は、当初は現実世界で見張っておくつもりだった。でも、
「同じ仮想夢に、理論上は何人でも入れるの。だから、見守るなら恵里香のそばにいた方がいいよ」
 と、愛菜にヘッドギアを押し付けられたのである。
 しかしそれは建前で、被験者が多ければ多いほどいい、とかいうのが本音だろう。
「それにしても暑いな。地上の夏って、こんなに暑いものなのか? 加藤が大げさな設定にしてるんじゃないのか」
 わたしたちは生まれた時からずっと、この地下都市〈高春〉で暮らしている。地上はここより数百メートルも高いところにあって、行ったことなどない。地上へ出たところで、現在の地球は厚い塵に覆われていて太陽光が届かず、薄ら寒いという。
 地下都市は、地上の気温変化の影響を多少は受けるが、大幅な温度変化はない。空調が故障しない限り、暑すぎることも寒すぎることもない。
「二〇一八年は記録的な猛暑だったって、立花君も知ってるでしょ」
「知識としてね」
「愛菜は、その年の気象条件をできる限り再現してるってさ。本当に、当時はこれくらい暑かったはずだよ」
「人間が生きていく環境とは思えないな……」
 げんなりとする立花君に、思わず笑ってしまう。なんだよ、という顔でにらまれて、ごめんと謝ろうとしたけど、わたしの目は道の先に釘付けになった。
 野球帽をかぶり、虫取り網と虫かごを持った少年が、こちらを向いて立っていたのだ。
「米良智則……」
 立花君が呟く。
 愛菜は、わたしと立花君以外の人物は登場しない設定にしてあると言っていた。
 今度は大丈夫、と愛菜は胸を張っていたが、どうやらわたしの記憶がまだ強く影響しているらしい。立花君もいるから、もしかしたらなおさら影響があるのかも。
「加藤の奴、全然だめじゃないか」
 立花君が完全に呆れた声だったので、わたしはつい笑ってしまった。また、にらまれる。
「大丈夫だよ。わたしたちは、これが本当の夢じゃないって分かってるから」
 そう、もう大丈夫。
 わたしは黒木恵里香。彼は、立花勇磨(たちばな ゆうま)。ここは仮想夢の中で、わたしたちが見ている『米良智則』は、わたしと立花君の共通の記憶から再現された姿だ。
「えっちゃん、早く行こう」
 少年が手を振る。すると、わたしたちの背後で、待ってよ、という声が上がった。
「置いてかないでよ、トモちゃん」
 麦わら帽子をかぶり、少年と同じように虫取り網と虫かごを持った少女が、わたしたちの横をすり抜けて駆けていく。
「えっちゃんが遅いから、蝉が逃げるよ」
「たくさんいるから大丈夫だよー」
『米良智則』に追いついた『黒木恵理』は、差し出された小さな手を握り返す。手を繋いで、二人は笑いながら、山へ向かっていった。その姿は小さくなり、まるでかげろうのように揺らいで、消えた。
 二〇一八年、あの夏の日の世界を体験するだけの予定だったけど、この仮想夢世界は、わたしと立花君の記憶の影響を受けている。
『黒木恵理』の方がマメで詳細な日記を付けていたので、このままじっとしていると、日記で起きた出来事が展開されていくだろう。二〇一八年八月三十一日の分までは。
 辺りが暗くなり、公民館で花火をしている風景が広がる。『黒木恵理』と『米良智則』は、中学生くらいになっていた。
「……このまま、まだ見ておくか?」
 立花君も、状況は分かっているみたいだ。
 子供たちの歓声にかき消されそうだったけれど、彼の声は落ち着いていた。
 すぐに、仮想夢の中で『黒木恵理』たちは高校生になり、最後の夏を迎える。そして、前回仮想夢体験をした時には見ることができなかった、九月一日以降の出来事が再現されるだろう。『米良智則』の日記を読んだ、わたしたちの記憶を元にして。
 九月一日に公民館でその夏最後の花火が開催されたが、そこに『黒木恵理』はいなかった。
 直前であるその日の夕方、『黒木恵理』は、舗装されたばかりの道路でトラックにはねられたのである。トラックは、ダム工事現場から町中へ戻る途中だった。
 山間の集落なので、救急車が到着するまでに一時間近くかかった。『黒木恵理』は最寄りの病院に搬送され、緊急手術が行われた。奇跡的に一命を取り留めるが、数日間意識が戻らなかった。
『黒木恵理』の両親は交代で病院に泊まり込み、集中治療室で眠り続ける我が子を見守っていたという。『米良智則』も病院に駆けつけたが、家族ではないため、集中治療室に入ることはできなかった。
 事故から五日後に『黒木恵理』は意識を取り戻し、少しずつ容態は落ち着く方向へ向かったらしい。『米良智則』の日記なので、彼も詳細はよく分からなかったのだろう。けれど、事故に遭った『黒木恵理』が生きていて、快方に向かい、それを彼が喜んでいるのは、日記を読んでいれば分かった。
『黒木恵理』の容態が落ち着き、『米良智則』自身も平静を取り戻したので、日記を付け始めることにしたらしい。新しい日記の内容は、『黒木恵理』の様子が中心だった。集中治療室を出たこと、手や足を骨折したこと。右手は以前のようには動かせなくなったらしい。
『米良智則』は頻繁に見舞いに行き、連絡もマメに取っていたようだ。
 しかし、大学受験を控えていて、また『黒木恵理』にあまり来なくていいと言われたため、病院に行く頻度は減り、日記の内容も昔のように簡素で短くなっていった。受験直前に再び日記は途絶え、三月中頃に再開する。
 志望校に合格した『米良智則』は、入院とリハビリのために大学受験できなかった『黒木恵理』と離れることになる。その頃には、二人の関係が今まで通りとはいかなくなっていたようだ。
 故郷を離れる『米良智則』は、引っ越す直前、『黒木恵理』に会いに行っている。そこでどんな話をしたのか、日記には書かれていないし、その後どうなったのかも、書かれていない。『米良智則』の日記は、そこで終わっていた。
 山間の集落で生まれ育った二人のその後は分からない。住民票や戸籍などの公的な記録は未だに発見されていないし、新たな日記の類もまだ見つかっていない。
 周囲が再び明るくなり、まばゆい光に包まれる。
「あれ、また最初に戻ってる?」
 まぶしさに目を細める立花君が、道の先を指さす。野球帽をかぶった少年が、手を振っていた。
 二人の日記をより読み込んでいたのはわたしの方で、この仮想夢にも何度も訪れている。わたしの記憶の方が優勢なのかもしれない。
 わたしも目をすがめ、明るい日差しの中、駆けていく少年と少女を見送る。
 あの二人がその後どんな人生を歩んだのか、わたしたちには分からない。
 ただ、最初に見つかった二人の日記や写真は、同じ資料館に保管されていた。そこでは、わたしたちの先祖が地上で暮らしていた頃の、主に日用品を収蔵している。日用品ということで、収蔵品は寄託されたものが中心だったようだ。どういう経緯で寄託されたか、すべての収蔵品についてはっきりとしているわけではない。時が流れすぎているし、地上から地下に移動する過程で失われてしまったものも多い。
 けれど、『黒木恵理』と『米良智則』の日記を寄託したのは、同じ人物だというのは分かっている。立花君がこの前発見した日記は違う資料館に保管されていたけど、寄託したのは、やはり同じ人物だった。
 それが何を意味するのか、立花君とじっくり話し合い、愛菜の意見を聞くのも悪くない。

〈了〉

コメント

タイトルとURLをコピーしました