短編

小説

水切り

 短い掛け声と共に腕をほとんど水平に振る。手に握られていた、平たい石が飛び出した。  ほとんど水平に飛んでいく石は、川面にぶつかると弾かれるようにして波紋だけを残し、さらに川面すれすれのところを跳んでいく。少し先で同じように波紋を描き、ま...
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女神の継承者

 あちらこちらから視線を感じるが、室内にエリステイア以外の人はいない。  エリステイアが訪れるまでは室内は無人であった。  空気はよどむことも揺らぐこともなく、冷え冷えとしている。  その冷たさは霊廟か神殿を思い起こさせた。
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賭けと夕陽と女と、そして 03

 ルアソルの目を見たウィシュカに「夕陽のようだ」と言われて以来、褒美として女を与えられるというのなら、ウィシュカがいいと言い続けてきた。ヴァラトナに呆れられようとも、自分が何故そこまで執着するのかはっきりとした答えを出せないままでも、ルア...
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賭けと夕陽と女と、そして 02

その日聞いた喚声を忘れることはないだろう。  十年の間に負った傷の数と築いた骸の数、どちらが多いのかはもう分からない。  数年ぶりに現れた、無敗の闘士。だが、十年間を勝ち抜いた闘士に降り注ぐのは歓声と、そしてやはり罵声だった。
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賭けと夕陽と女と、そして 01

「あんたの目、夕陽みたい」  ルアソルを見上げる小麦色の肌の女は、そう言った。 「夕陽?」  思わぬ言葉を聞いて、ルアソルはわずかに眉間にしわを寄せる。
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