見上げると数え切れない無数の星。明るさ様々に夜空を彩り、寄り集まってさながら川のようだ。なんと美しく流れる壮大な川だろう、と溜息がこぼれる。
「明日も晴れそうでございますね、姫様」
侍女の言葉に、露台で空を見上げていた姫は嬉しそうに笑った。
「明日が待ち遠しい」
そして、手すりに留まる私においでと声をかける。
姫は私の白いおなかを撫で、黒い喉元を指先でくすぐる。いつもながらお上手である。たまらず翼を広げた私を見て、姫はまあと微笑む。
「明日はよろしく頼みますね」
星の如く煌めく顔で言われたら、嫌とは言えない。
姫の愛撫をいつでも受けられる私と違い、あの男は一年に一度きり。
仕方ないので、明日だけは譲ってやる。
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※Twitter300字SS参加作品、第66回お題「橋」
カササギの橋渡し
300字SS
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