異世界ファンタジー

300字SS

余り物の魔法遣い

魔法遣いは世界の様々な事象に干渉するために呪文を唱え、文字や文様として刻む。 完璧に唱えられた呪文、正しく綴られた文字、美しく施された文様――だが、魔法遣いも所詮人間だ。一分の隙もない完璧や正しさは存在しない。不完全な魔法からは、完全になれ...
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挑戦状の理由 最終話02

振り下ろされた剣を受け止める。予想していた通り、その衝撃は軽いものだった。 エナマーリエの体格、腕力、彼女の剣そのものの重さを足し合わせれば、まあこれくらいが妥当なところだろう、とガランは冷静に分析しながら、エナマーリエの剣を弾き返した。も...
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挑戦状の理由 最終話01

「それで、キルテアさんに相談したんです。そしたら、ガランさんのことが気になっているから、そんな気持ちになるんだと云われて」 自分のことだというのに、エナマーリエはまるで他人事のようである。「ようやく、わたしはガランさんのことが好きかもしれな...
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挑戦状の理由 第三話03

日没の少し前に辿り着いたコンスキン商会を、ダッロの人々は驚きつつも歓迎してくれた。塩を運んできたと知った彼らは、ますます驚き、それ以上に喜んでいた。涙を流す人もいたほどである。それほど、ダッロは塩に飢えていたのだ。誰かが呼んできたのか、ダッ...
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挑戦状の理由 第三話02

魔物の群は、まだ周回を続けている。包囲網を狭めてきているのは目に見えて明らかだった。さっきまでエナマーリエの間合いの二倍以上は離れていたのが、ガランたちの間合いギリギリのところまで近付いてきている。 荷馬車の後部に移動したままのエナマーリエ...