300字SS 出世街道まっしぐら 部屋の片隅には赤ん坊くらいの大きさの人形がある。薄汚れて右目はなく、脇から綿が出ている。ごみ捨て場で拾ってきた人形だ。「手伝うんじゃなかった」「あんなに親切にしたのに」「皆のためになるからやったんだ」 地方出で家柄もない平民が出世するには拾... 2022.06.05 300字SS小説
300字SS 鎌は水に飢え 暑いはずなのに、空を見上げると寒々しい気持ちになった。暑いせいなのか冷や汗なのか分からない額の汗を拭う。 急がなければ。 今年は極端に雨が少ない。去年まで豊作続きで蓄えはまだあるが、みな既に焦っている。祈り人である姉の元を、村長達が頻繁に訪... 2022.06.05 300字SS小説