異世界ファンタジー

小説

変わらない二人の結末 02

「コントラルト」  悄然と去っていく決闘の相手とは対照的に、オイセルストは喜色を浮かべコントラルトの方へと身をひるがえす。  昼下がりの決闘を見ようと集まっていた人垣の環は、少しずつ形を崩していく。しかしコントラルトは決闘が始まる前に立って...
小説

変わらない二人の結末 01

すれ違った見習い騎士らしき少年が、彼女の姿を見るなり慌てて廊下の隅へ身を寄せて道を空けた。しかし、少年がわざわざ道を譲らなくとも、二人がすれ違うには十分すぎるほど廊下の幅はある。つまるところ、少年は彼女の気迫に驚き、思わず廊下の端へ避難した...
小説

かつての賞金首と懸賞金

半年ぶりにコントラルトの顔を見たオイセルストは、最初軽く目を見張り、それから破顔した。  対するコントラルトは腕を組み、できれば見られたくなかったとでも言いたげな顔でそっぽ向いてしまう。 「お久しぶりです、コントラルト。この通りかすり傷ひと...
小説

その後の賞金首と懸賞金

コントラルトは努めて外部の音を排除しようとしていた。 「髪は伸ばした方がいいと思うんですよ」  つまりは、無視しようとしていた。無心になるように努め、コントラルトは剣を持って素振りを続ける。
小説

賞金首と懸賞金 後編

《戦乙女》ことコントラルトは、気が付いたら懸賞金にされていた。  見合い相手や求婚者を、片っ端から叩き伏せる娘に業を煮やした両親の仕業だった。オイセルストとかいうどこの馬の骨とも知れない男を、これまたどこの馬の骨とも知れない男が倒し、結婚を...