掌は塵と消えて 掌は塵と消えて〈3〉 だが、想像した痛みはなく、代わりに奇妙で短い悲鳴が目の前から聞こえた。 恐る恐る目を開けると、瞑る前よりも近いところにムカデの口があった。そしてその中を貫くように、緑色に光る細い柱――いや、刀があった。 「おい、大丈夫か?」 顔を上げる... 2024.08.04 掌は塵と消えて小説短編