ライト

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挑戦状の理由 第三話03

日没の少し前に辿り着いたコンスキン商会を、ダッロの人々は驚きつつも歓迎してくれた。塩を運んできたと知った彼らは、ますます驚き、それ以上に喜んでいた。涙を流す人もいたほどである。それほど、ダッロは塩に飢えていたのだ。誰かが呼んできたのか、ダッ...
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挑戦状の理由 第三話02

魔物の群は、まだ周回を続けている。包囲網を狭めてきているのは目に見えて明らかだった。さっきまでエナマーリエの間合いの二倍以上は離れていたのが、ガランたちの間合いギリギリのところまで近付いてきている。  荷馬車の後部に移動したままのエナマーリ...
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挑戦状の理由 第三話01

初日にいきなり魔物の襲撃を受けたけれど、それ以降の道のりは何事もなくいたって平穏だった。日に日に秋が深まるのと同時に山の奥へと進んでいくのだから、いっそう秋の匂いは濃くなっていた。  ハナハ峠に向かう道はなだらかな上り坂で、このあたりまで来...
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挑戦状の理由 第二話03

少し広めの空き地を道端に見つけた一行は、そこを今晩の野営地とすることにした。  エナマーリエがハールズと二人で薪を拾い集めている間に、ほかの四人が野営の準備をしていた。薪を抱えたエナマーリエたちが皆のところへ戻ってくると、ガランとセフリトが...
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挑戦状の理由 第二話02

途中で数えるのをやめたから定かではないが、倒した魔物の数は十を軽く超えているはずだ。飽きもせず突っ込んでくる魔物に舌打ちし、ガランは剣を振り下ろした。  小型の魔物は、一個体あたりの低い攻撃力を補うために集団で行動するのが厄介だ。少ない集団...