『世界創造プログラム』なるサービスをご存じだろうか。電脳空間に自分だけの世界を創造できるのだ。魔法があったり人間ではない種族を繁栄させたり、自由自在だ。
ドラゴンが舞い魔法もある。ならば魔王もいてほしい。魔王だから手下はたくさん。
基本設定をすれば、自動で動いていく。
箱庭みたいに世界を観察して楽しみ、時々パラメータをいじり、新たな設定を加えたりする。
魔王の手下は暴れ回り、魔王を倒そうという動きが出てきた。勇者登場だ。
でも簡単に倒されては面白くない。勇者には色々な困難を与えよう。頑張れ、勇者。
「――お前が元凶か」
声に振り向くと、どこかで見た顔。
電脳空間の中だけの、架空の存在のはず。なのに何故ここに。
※300字
※Twitter300字SS参加作品、第82回お題「箱」
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