小説 挑戦状の理由 第二話03 少し広めの空き地を道端に見つけた一行は、そこを今晩の野営地とすることにした。 エナマーリエがハールズと二人で薪を拾い集めている間に、ほかの四人が野営の準備をしていた。薪を抱えたエナマーリエたちが皆のところへ戻ってくると、ガランとセフリトが... 2020.02.24 小説挑戦状の理由
小説 挑戦状の理由 第二話02 途中で数えるのをやめたから定かではないが、倒した魔物の数は十を軽く超えているはずだ。飽きもせず突っ込んでくる魔物に舌打ちし、ガランは剣を振り下ろした。 小型の魔物は、一個体あたりの低い攻撃力を補うために集団で行動するのが厄介だ。少ない集団... 2020.02.24 小説挑戦状の理由
小説 挑戦状の理由 第二話01 ダッロはマスゾートの南に位置する山間の小さな町だ。峻険な山々に取り囲まれた盆地で、ダッロと外界を繋ぐ道は、ハナハ峠を通る一本しかない。 その峠付近に、魔物が出るのだそうだ。昔から棲みついている魔物ではなく、最近――半年ほど前から出没するよ... 2020.02.24 小説挑戦状の理由
小説 挑戦状の理由 第一話05 母が語る寝物語の中で、エナマーリエは《白刃のガラン》の話を特に好んでいた。 若いときから頭角を現し、やがて二つ名と共に広く知られるようになった流れの剣士。《白刃》という二つ名の由来は、抜刀してから最初の一撃を加えるまでの動作が非常に速く、... 2020.02.24 小説挑戦状の理由
小説 挑戦状の理由 第一話04 ひょいひょいと人垣をかき分けて前へ進むハールズの、すぐうしろをついて行った。不意に彼が立ち止まり、その背中にあやうく顔面をぶつけそうになって、慌ててエナマーリエも足を止めた。ハールズの背中から前をのぞき込む。 2020.02.24 小説挑戦状の理由